【未来経営DIARY】

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“システム化の波” その投資、本当に効果的ですか?

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【飲食店のシステム化】

毎日のように技術の進歩が伝えられ、驚くような製品やビジネスが生み出されています。飲食店もここ数年で様々な技術革新がなされています。

長崎ちゃんぽんのリンガーハットでは、野菜炒めも、麺の茹で上げも、仕上げの煮込みもほぼ自動!ランチのピークを当然のように2名で回す仕組みになっています。

個店でもPOSレジ・ハンディは標準装備。
居酒屋ではタッチパネルが当たり前の時代です。


この進歩の要因は“業務効率化で生産性向上”と“人材不足”です。

“業務効率化で生産性向上”
あらゆる作業を効率化し、人件費を抑えて利益を捻出する。顧客データも最大限活用して販促活動を。進化のスタートはここからでした。

“人材不足”
少子高齢化・人口減少で働く人がいない!
飲食業界における有効求人倍率は軽く3倍越え!
東京都のホールスタッフは7.5倍という結果が出ています。
必然的に人が居なくても回る店を作るらなければいけない。いつのまにか進歩せざるを得ない、そんな状況です。

【あなたのお店のあるべき姿】

人は少なくなります。作業も効率化されていきます。いずれ映画で描かれているような、人がいなくても欲しいものが食べれる世界がやってきます。

受け身のサービスは全て自動化されます。お客さんに呼ばれてから対応するような仕事はなくなります。そんな中で生き残っていくにはどうしたらいいでしょうか?


しっかりと“あるべき姿”を決めて、そのお店のスタイルを確立することが求められています。

システム化・効率化は必要。
活用しないと他に遅れをとってしまう。
人も確保出来なくなる。

ただ、人とのふれあいもまた必要なこと。
本当のサービス・ホスピタリティは対人でなければ表現できない。それを求めるから、お客様はわざわざお店に足を運んでくれる。

飲食業はそのバランスが非常に試されるビジネスです。ここが一番難しいところかもしれません。

そのスタイルを明確にしていなければ、いつの間にかシステム化の波に飲まれてしまいます。それによって「サービスの機会」を奪われ、個性が出せなくなってしまうお店が増えているのに気づくと思います。

 

サービスとシステムのバランスを見直した例として、ウェイティングシステムがあります。待ち時間の長いお店では導入しているところが多数あります。

あるお店でもこの機能を導入しました。しかし、それによりお客様との接点が少なくなり、対応の距離にも影響が出てしまいました。

①ご来店時

〈手書きのウェイティング表〉

お客様の入店に敏感に対応し、入口まで移動・お出迎えし、お客様に寄り添いお名前を伺い記入する。

〈ウェイティングシステム〉

ご入店に合わせ、入口まで移動する必要がなくなりました。

「受付をしてお待ちください」のひと言でご対応するように。

 

②ご案内の順番が回ってきた時

〈手書きのウェイティング表〉

入口まで行ってボードを確認。「〇名でお待ちの〇〇様」とお客様のお名前をお呼びします。

〈ウェイティングシステム〉

レジ越しに「〇番でお待ちのお客様」とお客様の番号をお呼びします。

 

それによりお客様との距離ができ、少しずつ店全体のサービスが希薄化していってしまいました。

ウェイティングルームの空気を察知する意識も低下。いつの間にかお帰りになられたお客様にも気づかず、席の組み方にも混乱が生じる。何よりもそのお店はお客様のお名前とお顔を覚える機会を失い、売上にも影響が出てきてしまいました。

しかもサンクコストの呪縛から、そのお店は売上低下の原因がそこにあることになんとなく気づきつつも、システムをやめる決断をするまでに時間がかかってしまいました。

 

現場から「作業効率が悪いから改善して欲しい!」「人がいなくて大変!」という声が上がると、経営者様は何とかしてあげたい!という気持ちで、システムに対する投資を検討されると思います。ただ、少し考えてみてください。

そのお店ではお客様に何を届けたいのか?何を表現し、何を提案したいのか?

 

効率的にシステム化するところ。


アナログで人間味のある関わり方をするところ。

お店のスタイル・コンセプトを明確にして、変化の波にいつの間にか飲み込まれてしまわないように。この線引きが、今後の飲食店の成果を左右する重要なポイントです。