【未来経営】無名の監督が箱根駅伝を優勝するまでの「4つのステージ」
先日、青学陸上部 原監督にご講演いただいた未来会計フォーラムが開催されました。
今回は原監督の講演を聞いての
学び・気づきを共有したいと思います。
青学陸上部の原監督といえば、
青山学院大学史上初となる箱根駅伝総合優勝に導き、
その後、全日本大学と箱根を含む3大駅伝3冠を成し遂げた指導者です。
指導者と言っても着任時点では、
指導者経験なし!箱根出場経験なし!と、
長期距離陸上部の監督としては、
異例の、非常識で、ポートフォリオにおいて強みが無い無い尽くしの監督です。
ただ、前職ではトップ営業マンとして活躍し、
上場したベンチャー企業の立ち上げも経験されたビジネスマン。
ビジネスで培った経験を活かすことで、
箱根駅伝3連覇という常勝軍団を創り上げました。
講演の中でも
「ビジネスもスポーツも同じ。普遍性あり!」
とおっしゃり、
着任から優勝するまでの11年間を振り返ると、
大きく4つのステージがあったそうです。
チームの4つのステージ
ステージ毎の特徴としては、、、
ステージ1:初期 上意下達の指導
・監督対部員で組織化されていないため、1対1でのティーチング
・業界の「核」となる部分を徹底させる
長距離の場合は「規則正しい生活」
・目的を手段に落とし込むための寮の規則を作成
最初自主性にしたら、朝練後朝食を食べない者が出た。
それから全員で朝食を取る決まりをつくった。
世間では効率化と言われるが、ムダな事の中にこそ価値がある。
ステージ2:自覚期 権限委譲
・各責任者が出来てきた
とはいえ上意下達の指導は変わらず、原監督が責任者をリモコンで操作している感覚
ステージ3:コーチング期
・学年が2,3回転入れ替わった頃、ある程度ルールと文化が定着してきた。
・答えはださず、自分達で考えるように質問を投げかけた。
しかし、一歩間違えると適当でチャライ、同好会になり、
うわついたチームになる危険がある。
そのためステージ1、2のステップは飛ばさないで組織文化をつくる
責任者が歯止めをかけられるようにする。
ステージ4:支援型の運営組織
・11年目以降、原イズムが定着→外部コーチ、外部支援を雇うように
・選手の自主性とチームの自立がテーマに
・人に合わせたサポートをしていく
無名の監督が箱根駅伝を優勝するまでの「4つのステージ」いかがだったでしょうか?
会社経営・組織づくりと通じる所ばかりではないでしょうか?
チームづくりの3つのポイント
私の中で感じたポイントを3つあげると・・・
①組織文化は世代交代しても受け継がれる
4年間という学生競技の性質上、強い年代の選手が抜けてしまえば、
成績も不振になるのではないかと思いがちですが、決してそうではなく、
速く、強く、人間的にも成長し勝てるチームを何年もかけて創りあげるのが、
監督の仕事であり、選手の力を発揮させる環境によって3連覇が達成できる。
実際に原監督は1期生をスカウトした際に、
・人として成長させること。
・箱根出場は約束できないが、10年後優勝したら「君たちのおかげで優勝できた」と必ず祝賀会で言うこと。
この2つの約束をして選手を集めたそうです。
11年後実際に優勝して1期生に向けて「君たちのおかげで優勝できた」とおっしゃったそうです。
例え人が変わったとしても、組織の文化は残り受け継がれていく、
だからこそ初期のメンバーから目的・目標を見据えた仕組みや意識づくりが重要な仕事になるのだと感じました。
②業界の「核」となる部分を徹底させる
これは自社の業界や仕事の本質は何かを指導者が理解し、
徹底させるということ。
速く走るという表面上の技術ではなく、
タイムを速く走るための土台となる「規則正しい生活」という基本動作を
身に着けさせるということ。
③ステージ1、2のステップは飛ばさないで組織文化をつくる
取材でもコーチング型の指導や楽しい作戦が取り沙汰されるが、
大前提として、ルールや規則を守る文化・チームとしての意識レベルの高さあっての、
自由さがあり、各選手が自分の強みを活かした走りが出来ているそうです。
無名の監督が箱根駅伝で優勝するまでの「4つのステージ」、
自社での経営・組織づくりに大いに活かせる視点だと思います!
是非、以下のアクションをしてみてください。
【今回のアクションプラン】
・自社のあるべき姿から、ルールや文化を考える。
・自社の業界の「核」を見つける。
・いまの自社のステージを知る。
良い組織をつくる第一歩にしてください!
ありがとうございました。
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