未来経営DIARY

「未来会計×理念経営=未来経営」の実践!!

売上を作るのに欠かせない!!経費の考え方と経費計画の立案の6ステップ

 

f:id:consulting-kfs:20180221154829j:plain

 

こんにちは!

ケーエフエスの加藤です。

 

前回、中小企業向け売上計画策定のための4ステップにて、未来経営を体現させる売上計画策定方法についてお伝えいたしました。

 

今回は、売上を作るのに欠かせない、経費の考え方と経費計画の立て方について簡単にお伝えします。

 

経費とは何か?

 

経営は、売上だけでは成り立ちませんよね。

売上を作るということは、ビジョンに沿って様々な活動をしていきます。

そして、極論すれば、すべての活動にお金がかかります。

 

よくクルマのガソリンなどに例えられていますが、

運転者または同乗者は人財、クルマそのものはルールやマーケティング、営業などの仕組み、エンジンはビジネスモデルといったカタチで例えればわかりやすいでしょうか。

 

ガソリンがなければエンジンは動かず、経営の仕組みであるクルマは動きません。

動かないクルマに人は乗りません。

 

人が生きる上でお金が欠かせないように、経営をする上でもお金は欠かせません。

 

そのお金(支出する側)は一般に経費と言われていますが、まずはその経費の種類についてみてみましょう。

 

経費では、その使途により大きく3つに分けられます。

(※会計・税務上の経費や投資等とは区別していません)

①経営を維持する(例:管理部門の人件費、家賃、水道光熱費、消耗品、税務顧問料)

②経営の効率を上げる(例:システム費)

③経営を発展させる(例:採用費、研究開発費、広告宣伝費、経営コンサルティング料)

 

経営者は、このお金を、経営を回し発展させるために、今もっている資金の中から、これらを無駄なく、モレなく配分し、少ない資源(時間・費用・人員)で多くを生産し、収入を最大化

することで、最後に利益となるのです。

 

会社のお金でこれに利益を生み出す活動に関係のないものに支出し続けると、赤字に陥ります。

 

経費は、利益を出すために必要なものであり、売上よりもコントロールがしやすい、

まさに経営者の考え方がダイレクトに投影される、経営者の「鏡」であり、

利益を生み出す源泉です。

 

多くの赤字に陥った企業は、まず経費の見直しに着手して、利益をつくり再建します。

コントロールしやすいからです。

 

コントロールしやすいと同時に、配分は少し気を抜くとすぐに「無駄な=利益を生み出すのに直接関係ない」使途に使ってしまう、「魔が差しやすい」ものでもあります。

 

だからこそ、経費の計画をしっかり立ててほしいのです。



売上計画より経費計画

 

これまで何百もの事業計画を拝見させていただいておりますが、

中小企業の経営者様はどうも経費計画に無頓着、とまでは言いませんが、

立案のお手伝いをしている時、とても「適当」に思えることがあります。

 

そして、時間が経過すると、「思っても見なかった、想定外の」経費がたくさん出てきて、

計画倒れすることがよくあります。

 

売上計画をつくることはワクワクします。

経営の醍醐味であるビジネスモデルの良し悪しが反映されるからです。

しかし、売上計画の実現可能性は、経費計画とくらべて計画立案がしにくいのです。

 

売上をつくることは相手がもつ影響力が多分にあり、

自社でコントロールできる領域が相対的に少ないからです。

 

私は経営の本当の手腕はこの経費の使いみちを決める「判断力」にあると思います。

 

コントロールできる領域が多い経費計画で、

しっかり未来への投資資金、社会、社員の幸福への還元のために、

利益を創出する経費計画を立案しましょう。




経費計画立案の6ステップ

 

是非、以下簡単ではありますが、1年間の計画を立てる際には、しっかり

経費の支出計画も立ててみてください。

 

①昨年の経費を見直す

決算書や推移表を確認し、月次の経費を見直して、会社の活動を振り返り、(利益を上げるのに)効果のあった経費、なかった経費を分類します。長期的な戦略があってまだ効果が出ていないものを除いて、不要なものを削減する判断をします。

 

②昨年の変わらない経費を抽出する

いわゆる固定費と言われる、水道光熱費や家賃、リース料、顧問料等、金額がほぼ一定で、今年度も増減の少ないものは、基本的にそのまま計画します。意図があって増減がある場合は、それを反映します。

 

③人員計画を立てる

これは売上計画や戦略から、人件費や採用費に影響します。戦略を実行し、売上の計画の実現可能性を高める人員はどれだけの能力がある人を、何人採用・育成しなければならないのか。そして、長期的な会社の発展のために、若手をどれくらい採用しなければならないのか。給与はどれくらいか。会社としての魅力を高めるために福利厚生にどれくらいお金をかけるか。その採用のためのコストはどれくらいかを見積もり、反映します。



④投資計画を立てる

ここでの「投資」は設備投資のみならず、人財(研修費)、商品開発(研究開発、外注費)、マーケティング(広告宣伝、販促費)、営業(交際費)、エリア展開(支店開設、海外進出)、課題解決(システム投資、コンサルティング料)など、会社の成長発展に関する費用です。是非各分野でひとつひとつ戦略を立てて、見積もりを取るなどしてリアルな数値を入れてください。

 

⑤その他の経費(予算)をつくる

固定費でもなく、投資費用でもない、変動する費用で金額の小さな(予測がしにくい)必要経費もあると思います。そのような経費は、これ以上はかからないようにするという「予算」を組みます。例えば昨年度毎月ばらつきがあったけど平均で月10万円かかっていた消耗品費は、今年は意識して無駄を省き、月8万円までを予算とするなどです。

 

⑥整合性を見て、ブラッシュアップする

一通り月次の年間経費計画が出来上がったら、(既にできているであろう)戦略、売上計画を実現するのに十分な人員、投資、維持費であるか、無駄な経費はないかを十分にチェックします。

ここでどれだけ脳みそに汗をかくかが、実現可能性の高い、精度の高い事業計画をつくれるかの分かれ目になります。

 

以上が、経費計画の簡単な流れです。

 

最後にお伝えしたいのは、なぜそうまでして精度の高い事業計画をつくる必要があるのか。

 

精度の高い事業計画をつくれるというのは、未来に起こる出来事をコントロールできる領域が増えるということです。未来に起こる出来事をコントロールできるということは、利益のコントロールであり、会社の理念・ビジョンの実現可能性を高めることであり、経営者の自己実現であり、社員や顧客、社会にとっての見通しであり、安心であり、社会から愛されるという、一言でいうと幸せにつながるということなのではないかと私たちは考えています。

 

是非、売上計画と合わせて、経費計画の立案に時間をかけてみてください。

もし、計画立案でお困りごとがございましたら、お気軽にご連絡くださいね。

 

次は、中小企業や創業したばかりの企業にとっては最も重要かもしれない、資金繰り予測の作成法について書いていきたいと思います。

 

以下、経営計画についての記事です。

よろしければ、ご一緒にお読みになって下さい。

「実は損してる!?経営計画を作らない会社の2大理由。誰のために計画はあるのか?」

http://miraikeiei.hatenadiary.jp/entry/2018/02/13/173908

 

 

ケーエフエスコンサルティング 加藤