持続的なコミュニティに必要なもの
この度、ケーエフエスコンサルティングと株式会社Resorzの共同事業として、新宿区市ヶ谷駅前にコワーキングサロン“Digima~出島~BASE”をオープン致しました!
Digima~出島~BASEは海外ビジネス支援に特化したコワーキングサロンで、「世界市場に挑戦したい!日本のビジネスを世界に発信していきたい!」という方を全面的にサポートするためのコミュニティスペースです。
「この場所を海外ビジネスの“聖地”にしたい」
そんな想いから創られました。
コミュニティについて考える
皆さんはコワーキングスペースをどのように捉えているでしょうか?
仕事場として利用するのが一般的ですが、コワーキングスペースの本質的な価値はその場に集まる人とのつながり、そこに形成される「コミュニティ」です。
いろいろなビジネスアイデアを持つ、価値観の違う人達が出会うことで、さらに新しいものが生み出される。人と人との化学反応を楽しむ場として認知されてきています。
そもそも「コミュニティ」とは何でしょうか?
言語の意味としては「共同体」と訳されますが、私は「ある事柄・テーマに“熱狂“した人たちの集合体」という解釈が最も理解しやすい表現でした。
これは、「バガボンド」「ドラゴン桜」「宇宙兄弟」など多くのヒット漫画の編集を務めた株式会社コルク代表の佐渡島庸平さんの著書「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.」の中で語られている表現です。
私は学生時代からいろいろな活動をし、コミュニティを作ってきました。当時はそれをコミュニティという言葉で意識はしていませんでしたが、何かに“熱狂”した仲間が自然と集まり、普段の生活では交わることのないタイプの人たちがそこにいました。
そのコミュニティをきっかけに、あるアイデアを形にするため学生卒業後に起業をしました。しかし、それは起業後1年で崩壊してしまいました。
今までずっと、自分が未熟だったから・知識のないまま勢いで起業してしまったからだと思っていました。もちろん、それを理由にあきらめてしまったことが最大の原因ですが、コミュニティが崩壊したのには別の理由があったことを前述の書籍から知ることができました。
コミュニティを作り出し、持続するために必要なもの。それは“熱狂”と“安全・安心”だと佐渡島さんは伝えています。
このふたつは一見、相反するような印象を受けると思います。
人々の“熱狂”が勢いに乗ってコミュニティを作る。それに対して“安全・安心”はその勢いを止めてしまうのではないか?と。
しかし、熱しやすいものは往々にして冷めやすく、一気に人気が出たものや売れたものほど、すぐにピークが去ってしまうものです。
自身の経験を振り返ると、立ち上がりが早く、スタートから多くの人が集まった企画・チーム・コミュニティほどその寿命は短く、いつの間にかなくなってしまいました。
後継者も出来ず、一代で終わってしまうものばかりでした。
逆にささやかなきっかけで、少人数の集まりから少しずつ形になっていったものほどそのつながりは強く、継続して活動を続けています。
皆さんにもそのような経験があるのではないでしょうか?
“熱狂”だけでは、それに疲れてしまう人たちが増え、持続することができない。
私のコミュニティはまさにそのような状態でした。
みんなが自分と同じ熱を持っており、それさえあればどんどんいける!そんな風に思い込んでいました。しかし、集まるメンバーはそれぞれ違う価値観を持っていますし、そこに割く時間やパワーも違う。それを一律と考え、環境の保全をしなかったことが崩壊の原因であったと気づきました。
価値あるコミュニティを長く持続させ、より大きく影響力のあるものにしていくためには、“熱狂”という強い想いとそこに集う仲間を守るための“安全・安心”の両輪が必要です。
これは企業経営にも通じる考え方ではないでしょうか?
継続的に発展する企業は、売上の獲得のフェーズでは組織体制の構築を行っています。
労務管理の改善
人事評価制度の確立
...etc
これらはいずれも、そこに所属するメンバーの“安全・安心”を確保するための取り組みです。
人々があるテーマ、場所、目的のために集まり共同体を形成する。
全て「コミュニティ」です。
そこに生まれるエネルギーをより大きな影響力のあるものにし、さらに持続させていくために、ぜひこの「“熱狂”と“安全・安心”の確保」という考え方を取り入れてみることをお勧めします。